一日一首~うたかたに恋の歌語り~ -7ページ目

41 なによりも 



酒より花より何より君がいなくちゃわれのハレの日ブルーな日




うれしく楽しいとき もっとしあわせにしてくれ
つらくかなしいとき 心なぐさめてくれるもの…

お酒がすきな私だけれど
花がいつもそばにあったらうれしい私だけれど

なによりまず 
あなたがいなくてははじまらない

あなたがいてくれれば
お酒や 花が なくてもさびしくないわ

そりゃ あればもっとうれしいけれどね


ハッピーな日も ブルーな気分の日も

あなただけはそばにいてほしい





さまざまな恋の風景を歌によんでみたいと思います


40 夢うつつ 夢ふたつ



やすらかに寝息たてつつ吾の乳房さがすしぐさの君がいとおし




夢をみているのだろうか
さっきまで抱いていた子が
眠りながらわたしのおっぱいをさがす
無心におかあさんを求める子
おかあさんじゃないけど
あなたにあげるおっぱいがでたらいいのに
ごめんね

いじらしくて たまらなくかわいくて
なんとしてもこの子をわたしがまもり育てる

母となる日があったなら
わたしもそんな思いを抱いただろうか




夢をみているのだろうか
さっきまで
やさしくいとおしむように私を抱いていた人が
眠りながら私の乳房をさがす

よわねをはかないつよい人
いつも私をまもり支えてくれる人

それでも男の人は
どこかで女に 母をもとめるのだろうか

あなたの母にはなれないけれど
私もあなたをまもりたい
こころやすらげる場所でありたい






さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います

39 われをわれたらしめるもの



よぶんなものはすべて捨てわれをわれたらしめるものとは何だろう



どこかで、なにかで目にした。

「多くをもたない者が貧しいのではない。
 多くをほしがる者が貧しいのだ」


と。

わたしがわたしであるために
絶対に必要なものとはなんだろう。

いらないものにしがみついて
必要でないものをほしがって
自分で自分を
貧しくさせてはいないかな…

これがあるだけで
わたしにはじゅうぶん。

そんなものだけを身につけて
こころに抱いて
そんなものだけにかこまれて
生きていけるだけで
しあわせゆたかだろうにね。

煩悩も
ひとであるがゆえか。





さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います

38 切実に



切実に君にいてほしいこんな日やり過ごすにはなにが必要?



会えなくても はなれていても
あなたのことを信じて待っていられる

私があなたをすきだという気持ちは
ちょっとやそっとのコトでは変わらない
変えられっこない

だけど
あなたに会いたくて 会いたくて
どうにもやりきれない日がある

どうしようもなく さびしい夜がある

そんなときは どうすればいいの




さまざまな恋の風景を歌によんでみたいと思います



37 夢で会えたら



夢のなか君と過ごして目覚めればいっそう寒しひとり寝の朝



「夢でもし会えたら 素敵なことね
 あなたに会えるまで ねむりつづけたい」

という歌がありますね

かろやかな旋律の 優しい歌ですが
私がちょっと気になるのは 
この歌詞

現実に会えないあなたに
せめて夢の中ででも会えたなら うれしいけれど



めざめたときに
ちょっぴりさびしくなることも

夢で会えたしあわせを
素直によろこばないといけないかな

夢でしか会えないのなら
そのままずっとねむりつづけていたいけれど

帰ってこれなくなってしまうかも




さまざまな恋の風景を歌によんでみたいと思います

36 シクラメン



われのみの部屋さびしくないように母の買い置きし鉢シクラメン



お花屋さんの店先に
色とりどりのシクラメンの鉢が
華やかにならぶ季節。

どの色を選ぼうか
迷いながら考えるのも
この季節の楽しみのひとつ。


共に暮らしていた人と別れて
ひとりぐらしをはじめたその冬、
母が私のちいさな部屋に訪ねてきた。

ひと鉢の白いシクラメンをかかえて。

「ほんとうはね
 気持ちが明るく華やぐように、
 明るい色を選びたかったのよ。
 だけど、このまっしろのが
 いちばん生き生きしていたの」

母の笑顔がまぶしかった。
白いシクラメンもまぶしかった。

帰ってくると出迎えてくれたシクラメン。
母のあたたかい心ざし。

ひとりでいても さびしくなんかなかったよ。

純白のシクラメンは、

「まっしろなキモチで、いちからガンバレ」

って応援してくれているようだった。

赤やピンクよりも、
そのときの私にはぴったりだったのかも知れないね。

もうそれも、
ずいぶんとむかしのお話。

さて 今年の私にぴったりなシクラメンはなに色だろうか。





さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います


35 駅



こんなにも多くの人がゆきかう駅に吾が待つは君ただひとり



多くの人が出会い、すれちがい、行きかう駅。

そこから遠くへ出かける人、帰ってきた人。
毎日その駅から出かけ、そこへ帰ってくる人。
たまたまその日、はじめてその駅に降り立った人。
その駅を今日あとにし、
おそらくもうにどと訪れることはない人…

誰かと待ち合わせる人。
そして誰かを出迎える人。

そこにいる、あの人も誰かを待っているのだろうか。

雨が降った日には
あの女の子はカサを持って
おとうさんを迎えてあげるのだろうか。

ここで待つ人はみんな、
自分にとっての
ただひとりの誰か
今か今かと待っている。

そして
私が待っているのは…

誰よりもいとしくて、
早く早く会いたい、
君ただひとり。

もうすぐ もうすぐ。

胸が高鳴る。




さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います


34 刻印



「このしるし消えぬうち会えるといいね」われにのこるせつない刻印



ちょっと大胆な歌を詠んでみました。
これを書いたのはもう、しばらく前のことになりますが。

私は、たとえすきな人であっても
自分がその人の受け容れがたい言動を感じたら、
それに関しては心のなかで拒絶してしまいます。
私がどういう態度、反応をみせるかはともかくとして。

もしかすると、
それが昂じたなら
だいすきな人がキライな人になってしまいかねない可能性もあります。

はたでみえるよりもっと
我のつよい、可愛くない女です。

その反面
すきな人には、すすんで
精神的に縛られたいと願う面もあるようで

矛盾の多い人間です。
まあ わがままなことだけは
まちがいありません。

現実なのか 願望なのか

私の歌には
「想像による創造」もあることを
どうぞご理解下さいね。

でないと、こんな歌は
とても公開できませんから…。

読んで下さるみなさんも
想像を楽しんで味わって下さいますように…



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さまざまな恋の風景を歌によんでみたいと思います


33 日常という名の宝石



母に父のグチなどきかされている日常という名の宝石



わずらわしく
時にはのがれたいと思うような
平凡な日常に

実は自分がいかにまもられているかを知ったとき

平凡な日常の恵みの大きさを しあわせを思う

平凡な日常が続いていくのは
そして続かせていくのは
非凡なことなのだ



けっして裕福ではなくとも

大きな争いも災害も病もなく
生きて たがいにいまここに
こうして在ることの恵みは

どんな宝石よりも輝いている幸福

いま このときをたいせつに




さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います

32 選択



行こかもどろかどうしようかねえと通りすがりのネコにきいている



生きていることは 選択のくりかえし

今夜なにをたべようか とか
この休日はどう過ごそうか とかいう
日常のちいさな選択から

人生を大きく左右する
おおきな岐路の選択まで

仕事になにを選ぶか
だれと人生をともに生きるか
なにか大きなチャンスがあったとき
それにのるか あえて流すか
そして
行動する時期を選ぶという選択もある

迷うこともある にんげんだもの

自分で考えて自分で迷って自分で決めたら
もう迷うことなく自信をもっていたいけれど

選びとったあとでも
迷いや後悔があることもある

ときどき こんなふうに
とおりすがりのいぬやネコに ふときいてみたくなったり

だれかのひとことや
なにか ちいさなきっかけで
迷っていたことの意志決定ができることもあるね

ほんと
生きていることは 選択のくりかえし




さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います