一日一首~うたかたに恋の歌語り~ -10ページ目

11 たいせつなひと



兄でも夫(つま)でも父でもない君にこころゆだねるわれ不可思議か



あなたは私のなんだろう

兄でも弟でも父でもなく
ましてや恋人でもないあなたを
なんとよべばいいのだろう

でも
誰より信頼している
誰より安心して こころあずけられる
私のたいせつなひと

ありきたりな言いかただけど
親友でいようね

恋人未満という意味でなく
最高の友人として

もしも 
恋人になってしまったなら
私は 親友としてのあなたを
うしなってしまうのだろうか

こんな今の私たちを
なんとよべばいいのだろう



さまざまな恋の風景を歌によんでみたいと思います

10 ありのままの私を



私の弱さもずるさもみんなみてそれでも好きだと言ってくれる?



きらわれたくなくて
いつまでもすきでいてほしくて
ついカッコいい自分をよそおってしまいがちだけれど、

じゃあ
ホントの自分をみせたら
あなたは私をキライになってしまうの?

そんなのイヤだな

弱くてずるくて甘えたがりのなまけモノ、
そんなカッコわるい私をみても

「しょうがないヤツだな 
 でもすきだよ」

と言ってほしい

ありのままの
素直な私を受けとめてほしい

それがきっと
自分のほんものの相手

「すきだけど…
 でも こういうトコはよくないぞ」

自分をまるごと受け容れてくれる相手になら

きびしい 耳に痛いこと言われても
私も素直に耳を傾けられるよ



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9 花嫁の日



花嫁の日白き蘭の花束を贈ると言ったにくい君なり



その人を、兄のようにも初恋の人のようにも
慕っていた。
花を扱う仕事についているその人は、
私にこう言った。

「おまえが結婚するときには
 おれがいちばん好きなまっしろの胡蝶蘭の花束を贈りたいな

 それをもってお嫁にいってほしい
 きっときれいだろうな」
 
そう言われたとき
うれしさよりも ちょっぴり痛む心があった。

私はあなたに祝福され 花を贈られるよりも
あなたのとなりで花嫁姿になりたかったのに。

そんなひそかな夢をみていたのに…

その人をひたむきに慕っていた自分を
甘さとほろ苦さのまじる思いでふりかえる。

あれが、初恋だったのだと…


トラックバックステーション「初恋のおもひで」に参加させていただきました
 

さまざまな恋の風景を歌によんでみたいと思います

8 われのため



われのため腕でも目でもくれてやると言うひとあり君のため生(い)く



かつて
これほどまでに自分を愛してくれた人があっただろうか
私をまもり いつくしむことに
いのちをかけることさえいとわない人

もし私が
誰かに傷つけ殺められたとしたなら
その人は くるってしまいかねない
そしてきっと
私を殺めた人を 同じように殺めてしまうだろう

そんな深すぎる愛は
悲劇と紙一重だけれど
ふたりの身になにごともなく
平和におだやかに暮らしていければ
こんな幸せもまたとないものかも知れない

誰よりも なによりも
自分を愛し たいせつにしてくれる人

君のためにも
私は自分の生をだいじに生きよう

人をこよなく愛し つくす人生
人にこよなく愛され つくされる人生

はたしてどちらが幸せなのだろうか

けれど
人の人生はめぐりめぐっている
どこかでつじつまが合っているのかも

深く考えるのも詮のないことかも知れない

愛してくれる人を
自分も愛しつづけられたら 幸せだね




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7 1000分の1秒の永遠



1000分の1秒できりとった一瞬は永遠に吾だけの君



古い懐かしい形のカメラを手にした。
デジカメでも
ケータイでもないどっしりと重い、武骨なカメラ。

ピントも、露出も、シャッタースピードも手動。

ファインダーをのぞく。
いつまでもみつめていたい人の姿が、そこにある。

調整に時間がかかる。
早く、早く。
過ぎてゆく一瞬一瞬。
永遠に残したい、私をとらえてはなさない人。

シャッターを切る。
たしかな意志をもった音がする。

ここにおさめられたのは、
わずか1000分の1秒の、一瞬の君。

けれど、誰にもうばわれることのない、
永遠に私だけの君が、そこにいる。
 


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6 こころが風邪をひいた日は



さむいのはカラダではなくココロの風邪君のぬくもりだけがなおせる



寒風にさらされたり、疲れがたまって抵抗力がおちると
からだがカゼをひくように、
無理をかさねたり、人の冷たい言葉が刺さったりすると
こころだってカゼをひく。 悲鳴をあげる。

そんな時は、こじらせてしまわないように
ゆっくりおやすみ

こころにキモチいいことをして、
冷えたこころをあたためて。
がまんしてがんばったりしないで。

そして そういう時には
誰かのやさしい言葉や 笑顔や 手のぬくもりが
こころにしみるね。

それがだいすきな人だったらなおさらだね。
ききめはバツグン。

こころがほかほかしてきたら
だいじょうぶ、カゼもすぐになおるよ。



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5 未知へのおびえ



不器用にわれを抱いてた君の手に力がこもりすこしおびえる



芽生えはじめたばかりのふたりの恋。

あなたにはじめて抱きよせられた時は、気が遠くなりそうだった。

とまどいながら、ためらいながら、不器用に
私を抱きしめるあなた。

そのあなたが、今はじめて
ためらいなくつよく私を抱きしめる。

確かな意志をもって…

私はこんなふうに
あなたにつよく抱きしめられる時を
待ちのぞんでいたはずなのに、
いざそうなるとおどろいて、おびえてしまっている。

未知の世界に足をふみいれようとする私。

私たちの未知なる恋に、おびえる私がここにいる。

それでも私は、その1歩をふみだすだろう。
あなたとともに。


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4 片恋



君の知らぬ背中(せな)のかたち知るなれどただそれだけのわれの片恋



いつもあなたの背中をみている。
そんな私がいることをあなたは知らない。

恋しくてたまらないあなたの背中に
ふれたことはないけれど
こうして目をつぶっていても
それがどんなかたちをしているか
すぐに思い描くことができる。

あなた自身も知らない、
あなたの背中のかたちを
私は誰よりも知っている。

でも、でも
ただそれだけのこと…

誰よりも恋しいあなたの背中を知っていても
あなたのぬくもりは知らないの。

そんな片想いの私がいることを
あなたは知らない…



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3 自分らしく



バラはバラすみれはすみれの美しさ背伸びしないで自分らしく



ある先生が言いました。

「バラもすみれも、自然にまかせて、
 ただお日さまの光と与えられる水に感謝しているだけで
 きれいな自分の花を咲かせることができる。
 他の花になろうとしてもなれないし、
 そんなことをしなくてもいいんだ」

と。

バラはすみれの可憐さをうらやましいと思い、
すみれはバラのあでやかさをうらやむかも知れないけれど、
バラはすみれになろうとするより、
生き生きとした美しいバラを咲かせるほうがいい。

バラも、すみれも、ひまわりもコスモスも水仙も…
みんな美しい花

ひともまた…

自分らしく生き、自分らしい恋を。



「止まり木にようこそ」さんにトラックバックさせていただきました


さまざまな恋の風景を歌によんでみたいと思います 

2 君のくちぐせ



ひとりでに君のくちぐせつぶやきし吾にハッとして赤くなっており



こんなちょっとしたことから、
思ってもみなかった自分の恋ごころに気づいたり、
自分のこころにいつのまにか深く入りこんでいる相手の存在を実感したり… 
そしてひとりで赤くなってしまう。

誰かから
「あら、それOOのくちぐせじゃん!」
なんて指摘された日にゃもう…
 あせりまくり!
だったりして。

そのときはじめて気づいた思い…
そんな経験、ありませんか?



さまざまな恋の風景を歌によんでみたいと思います