88 錯覚 | 一日一首~うたかたに恋の歌語り~

88 錯覚

 

若い君の錯覚と知りなおつづく錯覚であれと願うかなしさ

 

 

わかっているの

 

あなたが わたしに魅かれているのは
あなたの 若さゆえの情熱で

 

わたしのなかに 理想の女を みいだそうとしているから

 

なのだと


母性の愛を あなたは わたしにもとめる

 

あなた自身も わたしを まもろうとする

 

それが 愛だと
あなたは 信じてうたがわない

 


でもね

 

いつか あなたは 気づいてしまう

あなたにふさわしい ほかのだれか の存在に

 

そんな日が かならずやってくる


錯覚でも いい
このまま あなたに 愛されたい

 

このまま あなたの
錯覚が 一生続きますように

 


さもなくば 今すぐ

あなたのもとから 消えてしまいたい

 


年上の わたしの

かなしい 願い

 

 


さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います