81 徒花(あだばな) | 一日一首~うたかたに恋の歌語り~

81 徒花(あだばな)



実をむすぶことのない精うけいれるわれのかなしさ君のかなしさ



わたしに ぽっかり あいた 穴

いのちをはぐくみ うみだすちからを 
永久に うしなってしまった 
なごりの 傷

その傷を その穴を
君は いとおしんでくれる

けれど 

どんなに 熱い涙を流しても
どんなに いきいきとした精をそそいでも

もう もどらない

もう うごかない

永久に 呼吸をしない場所

君は わたしのかなしさを
わたしは 君のかなしさを

抱きしめ たがいの手をとって
生きてゆくほかはない

この かなしさも 空虚さも
いつか なんでもないことのように
癒えるときがくるのか



 

さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います