64 未知の自分を | 一日一首~うたかたに恋の歌語り~

64 未知の自分を



自分がみえなくなる恋ではなくて未知の自分を知る恋がいい




あなたしかみえず 
わが身をいたぶるように 夢中で 恋をしていた

それも 後悔はない
たしかに あなたをすきだったから

でも 
自分がみえなくなって まわりもみえなくなって
つっぱしるような激情も ときにはいいけれど

一歩一歩 ゆっくり歩くように
一段一段 階段をのぼってゆくように

わたしのこと あなたのこと
そしてまわりの風景をみつめながら

たくさんの人に たくさんのものに たくさんの出来事に出会いながら

未知の自分を 未知のあなたを 未知の世界を知ってゆく 
静かで確かな手ごたえが いまはここちよい

あなたとずっと こうしていられたら
どんなにいいだろう






さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います