61 寡黙のなかの熱さ  | 一日一首~うたかたに恋の歌語り~

61 寡黙のなかの熱さ 



胃透視を熱く語りし君はレントゲン技師つねは無口なひと




いつも寡黙に けれど誠実に働くその人が
急に饒舌に 表情もいきいきと語りはじめた瞬間があった
…いつもはポーカーフェイスなのに

その人は放射線技師
日々 正しい診断のために必要なレントゲン写真を撮っている

どうすれば よりきれいな写真が撮れるか
それでいて 撮られる人の負担もかるくするには

彼は 熱っぽく語った

いつも無口なその人の 秘めた熱さを感じて
なんだかうれしくなった

自分の仕事を 熱く語れる人はすきだ





さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います