51 在るべき海へ
人波におされ流るる吾はさかな在るべき海へたどりつきたい
息ぐるしい
ここは空気が澄んでいない
空がみえない
進めない
水がよどんで泳げない 濁って前がみえない
手や足にからみつくたくさんのものたち
言葉がつうじない
心がかよわない
私の言葉は 思いは 声はとどかず
誰にもきこえない
ここは
私の住める海ではない
ここでは生きてゆけない
息がつまって死んでしまう
いつか いつか たどりつきたい
思いきり 澄んだ空気のすいこめる場所へ
空のみえるところへ
自由に泳ぎまわれる私の海へ
ともに生きるものがいる海へ
私の住むべき世界へ
さまざまな恋の風景、ひとの風景を歌によんでみたいと思います